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「みちびき」5号機が12月7日に打ち上げ予定。2025年度内に7機体制へ

みちびき5号機 / H3ロケット8号機が2025年12月7日(日) に打上げ予定しており、年度内には7機体制での運用を目指しています。

詳細はみちびき7機体制特設サイト

1. みちびき(QZSS)の強化計画:7機体制への移行がもたらすもの

現在、日本での安定運用を支える4機体制から、2025年度内に**7機体制**へと移行することが計画されています。この増強は、単に衛星の数が増える以上の意味を持ちます。

**🔸 スマートフォンでも測位精度が向上**

  • 測位精度向上の実現: cm級の測位の実現専用機器が必要となるのですが、将来的には専用機器を使わない場合でも「ASNAV(アスナブ)」という開発中の技術ではm級の精度が提供出来る様になりそうです。こちらの技術は3年程度の期間をメドに開発を進めているとの事で期待ですね。

**🔸 サービスの信頼性と持続性の向上**

  • 測位情報の途絶防止: 7機体制が実現すると、日本上空における衛星の配置の安定性がさらに高まります。これにより、ビル街や山間部などでの測位情報の途絶リスクを最小限に抑えられます。
  • ミッションクリティカルな用途への対応: レベル4以上の自動運転、高度なドローン配送、重要インフラの時刻同期など、**測位情報の安定供給が生命線となる分野**へのシステム利用が加速します。

**🔸 システム全体の冗長性の確保**

  • 7機体制により、仮に一部の衛星にトラブルが発生した場合でも、残りの衛星でサービスを継続できる**冗長性**が大幅に向上します。これは、国家的なインフラとしての役割を果たす上で極めて重要です。

2. アジア太平洋地域へのサービス拡大と影響

「みちびき」の電波は、日本だけでなくアジア・オセアニア地域の広範囲に届いています。この地域に、日本の高精度測位技術と防災情報サービスを展開することが、次期計画の大きな柱です。

**🔸 高精度測位補強サービス「MADOCA-PPP」の実用化**

  • 広域での高精度実現: 日本国内向けのCLASとは別に、アジア・オセアニア地域向けにはMADOCA-PPP(Multi-GNSS Demonstration campaign for Asia and Oceania – Precise Point Positioning)という独自の高精度サービスが提供されています。
  • 影響範囲: このサービスは、海運、漁業、インフラ管理など、広大な地域を持つ国々の**産業効率化**に大きく貢献します。既に2024年4月1日から実用サービスの提供が開始されており、地域協力のもと、性能向上が進められています。

**🔸 測位信号認証サービスの開始**

  • 2025年7月18日からは、偽の測位信号(スプーフィング)対策として、**信号認証サービス**の運用が始まっています。
  • セキュリティ強化: これにより、金融取引や重要インフラ管理など、セキュリティが求められる分野で、測位情報・時刻情報の**「真正性」**が保証され、利用の信頼性が飛躍的に高まります。

📝 まとめ

「みちびき」の強化計画は、単なる国内のインフラ強化に留まらず、**日本の技術をアジア太平洋地域の課題解決に活かす**という明確な国際戦略を含んでいます。

7機体制への移行は、国内の**自動運転やドローンなど次世代産業**に必要な測位の**信頼性**を確固たるものにします。同時に、国際的な**高精度測位サービス(MADOCA-PPP)**や**防災情報(災危通報)**の展開は、日本の地理空間技術が**地域の安全・安心**に貢献する大きな一歩となりそうです。

位置情報が高精度化される事で新しい産業の創出が期待できます。また、ベトナムをはじめ東南アジアの国々にも高精度測位が実現できる様になる為、高精度位置情報サービスの横展開が期待できます。

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