2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、熊本県宇城市・氷川町で最大震度7を観測しました。まずは被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
今回の地震では、国土地理院の観測データや自動車メーカー各社の通行実績マップなど、位置情報・GIS技術が被災地支援の現場で活用されています。本記事では、実際にどのような位置情報サービスが動き、どのような仕組みで情報を届けているのかを解説します。
地震の概要と国土地理院による観測
気象庁の発表によると、今回の地震は熊本県熊本地方の深さ10kmを震源とし、マグニチュードは7.1(暫定値)でした。震度7の観測は2024年1月の能登半島地震以来2年6か月ぶりとなり、あわせて有明・八代海には津波注意報も発表されました。
国土地理院は、位置情報・地図データを扱う専門機関として、発生直後から迅速な情報公開を行いました。電子基準点によるリアルタイム解析では、熊本県内の観測点「千丁」で北東方向に約84cmの地殻変動が確認され、地震の規模の大きさを裏付けています。あわせて、今回の震源域に近い「日奈久断層」を含む1:25000活断層図も公開され、余震活動や地盤の把握に役立てられています。

出展:wikipedia
地震調査委員会(2013年)による布田川・日奈久断層帯の位置図
自動車メーカー各社の「通行実績マップ」
地震発生から半日足らずで、トヨタ自動車とホンダがそれぞれ被災地向けの通行実績マップを公開しました。ここでいうGIS(Geographic Information System=地理情報システム)とは、位置情報を地図データに重ね合わせて分析・可視化する仕組みのことです。
トヨタの「通れた道マップ」は、テレマティクスサービス搭載車両から収集した走行データ(プローブ情報)をもとに、直近24時間以内に実際に通行できた道路をリアルタイムで地図上に表示する仕組みです。あわせて、同社独自の「Tプローブ交通情報」による渋滞・混雑状況や、JARTIC(日本道路交通情報センター)提供の交通規制情報も同一画面で確認できます。
ホンダの「通行実績情報マップ」も同様に、「インターナビ」装着車から収集した走行軌跡データを活用し、通行可能な道路の参考情報を地図上に公開しています。
- データソース:各社の車両が走行時に発信するプローブ情報(位置情報の集合)
- 更新頻度:直近24時間以内の実績をほぼリアルタイムに反映
- 表示内容:通行実績、渋滞・混雑情報、交通規制情報など
いずれのサービスも、多数の車両から集まる位置情報を地図上に集約・可視化する点が共通しており、GISの代表的な活用例といえます。

出展:トヨタ 通れた道マップ
避難所情報マップの役割
国土地理院の公式アカウントでは、熊本県が公開する避難所情報ポータルへのリンクも紹介されました。避難所の位置や開設状況をオンライン地図上で確認できる仕組みは、被災者が安全な避難先を素早く把握するうえで欠かせない情報インフラとなっています。
エムベースからひとこと
弊社も位置情報に携わる1社として、災害時をはじめ社会に役立つサービスをリリースしたいと常日頃考えております。
まとめ
2026年7月28日に発生した熊本地震では、位置情報・GIS技術が発生直後から被災地支援の重要な基盤として機能しました。
- 国土地理院が電子基準点データや活断層図を迅速に公開し、地震の実態把握に貢献した
- トヨタ・ホンダは車両プローブデータを活用した「通れた道マップ」を公開し、被災地の移動支援に役立てている
- 位置情報・GIS技術は平常時だけでなく、災害時の情報基盤としても重要な役割を担っている




